毎日普通に生活しているだけでも、私たちの体は知らず知らずのうちに外的な影響を受けています。中でも注目されているのが、酸化という現象です。体内の酸化は、健康を考えるうえで意識すべき要素の1つで、体のさまざまな部分に影響を与える可能性があります。このような酸化の働きを抑える力として知られているのが抗酸化作用です。

 

本記事では、体内で起こる酸化を防ぐために欠かせない抗酸化作用の仕組みと、関連する栄養素について詳しく解説します。

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抗酸化作用とは？

呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部は、活性酸素に変化します。本来、活性酸素は体を守る役割を担っているのですが、過剰に増えると正常な細胞まで傷つけ、老化や病気を引き起こす原因になります。増え過ぎた活性酸素の働きを抑えるのが、抗酸化作用です。抗酸化作用に必要な物質は、体内でも作り出せますが、以下のような要因により生成される量は減少していきます。

 

• 加齢
• 紫外線
• 悪い生活習慣
• ストレス

 

そのため、体内で作られる抗酸化酵素に加えて、食事から抗酸化作用のある栄養素を摂取することが重要です。

抗酸化作用に関連する主な栄養素と食材

抗酸化物質は、普段食べているものから手軽に摂取できます。中でも以下の4つは、抗酸化作用を持つ栄養素としてよく知られています。

 

• ビタミンC
• ビタミンE
• カロテノイド
• ポリフェノール

 

それでは、各栄養素の特徴と、多く含まれる食材を見てみましょう。

ビタミンC

ビタミンCは水溶性のビタミンで、水に溶けやすく熱に弱い性質を持っています。体内で作り出せないだけでなく、長時間蓄えることもできないため、食事やサプリメントからこまめに摂取しなければなりません。以下のような食材に多く含まれており、ビタミンCの効果を損なわないようにするには、生で食べるのがおすすめです。

 

• パプリカ
• ブロッコリー
• パセリ
• キウイフルーツ
• イチゴ
• みかん

ビタミンE

ビタミンEは脂溶性のビタミンで、主に体内の脂質が酸化するのを防ぐ働きがあります。脂溶性のため、油と一緒に摂取すると吸収率が高まり、より効果的に抗酸化作用が発揮されます。以下は、ビタミンEを多く含む食材の一例です。

 

• ひまわり油
• オリーブオイル
• ごま
• アーモンド
• うなぎ
• 大豆
• アボカド
• 卵

カロテノイド

カロテノイドは天然の色素成分で、600ほどの種類があると確認されています。中でもβ-カロテンやリコピンがよく知られており、体内で起こる酸化を防ぐ働きを担っています。ただし、種類ごとに効果や働きかける部位がそれぞれ異なるため、各種類の特徴を把握しておくと良いでしょう。例えばリコピンは、悪玉コレステロールの酸化を防ぐとされ、以下のような食材に多く含まれています。

 

• トマト
• 金時人参
• スイカ
• 柿
• パパイヤ
• ピンクグレープフルーツ

 

また、アスタキサンチンは、目の網膜などの酸化を防ぐ働きがあります。目が疲れやすい方は、以下のような食材を積極的に取り入れてみましょう。

 

• 鮭
• いくら
• ます

ポリフェノール

植物に含まれるポリフェノールも、強い抗酸化力を持つ成分として知られています。8,000以上もの種類があり、食材によって含まれる種類が異なるため、以下のような食材を日々の食事で幅広く取り入れていくことが重要です。

 

• ぶどう
• ブルーベリー
• カシス
• 赤ワイン
• 黒豆
• 豆腐
• 納豆
• きな粉
• おから
• 緑茶
• 紅茶
• ウーロン茶
• ごま

抗酸化作用を持つ栄養素を積極的に取り入れよう

本記事では、抗酸化作用の働きと、関連する栄養素について紹介しました。抗酸化作用は体内で起こる酸化を抑え、健康維持に役立つと考えられています。今回紹介したように抗酸化作用のある食材は数多く存在しますが、特定の食品に偏るのではなく、さまざまな種類の食材をバランス良く取り入れることが重要です。

 

また、調理方法や食べ合わせを工夫することで、より高い効果も期待できます。健康的な生活を目指すためにも、無理のない範囲で抗酸化作用を持つ食材を日々の食事に取り入れてみてください。